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四ツ星学園の存在を知って1週間、私は迷ったままだった。
どうすることが正しいのかわからずに、ただずっと立ち止まっていた。
『…ちゃん……せいらちゃん?』
『えっ?』
私を呼ぶ声に驚いて顔をあげると
そこには笑顔で私の顔をのぞきこむ霧矢先輩がいた。
『お疲れ様。………どうしたの?』
『霧矢先輩っ!おっ、お疲れ様です!!…なんでもないです!』
私がそれだけ言って去ろうとしたとき
『…待って!!なんでもないって顔じゃないよ…?』
霧矢先輩が私の腕を掴んだ。
『あっ……。』
私は何も言い返せずその場に立ち尽くした。
『…私でよければ話して欲しいな。』
『………………。』
…話したくない訳じゃない。ただ、話すのが怖いだけ。どういう答えが返ってくるのか、すごく怖い…。
『今日はいちご、お仕事でいないから私の部屋おいで。そっちの方が落ち着いて話せるでしょ?』
そう言って霧矢先輩は私を自分の部屋へ招いた。
『…それで、何があったの?』
いつもと変わらない霧矢先輩の優しい笑顔。
私は覚悟を決めて自分の思いを打ち明けることにした。
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