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『…私、霧矢先輩の演技に一目惚れして、霧矢先輩を本気で追いかけてみたくてスターライトに入りました。
でも私の演技は下手で、学園長に“歌で勝負してみなさい”って言われました。…学園長は流石です。私の一番得意な所を伸ばしてくれた。だから私は今ここに立ってる。
みんなに支えられて応援されてすごく、すごく幸せなんです。
……でも、霧矢先輩の演技を見るたびに私は自分が進むべき道が本当に正しかったのか、分からなくなっていったんです。
そしたら…テレビで四ツ星学園というアイドル学校の宣伝CMがやっていて
そのCMを見て私の気持ちがはっきりしたような気がしたんです。私はお芝居をやっていきたい、イチからでいいからちゃんと修業したいって…。』
『そっか…。…すごく素敵な考えだと思うよ?』
『でも…スターライト学園を離れる事は私を支えてくれたスターライトのみんなを裏切る事になるんじゃないかって思って…』
私は今の思いを全て霧矢先輩にぶつけた。
どんな答えが返ってきても受け入れるつもりだった。
だけど、霧矢先輩は…
『…それは違うよ。
醒邏ちゃんに素敵な考えができて、ただそれを達成する為にはここではない場所に行かなくちゃいけなかっただけのこと。
高みを目指す人の旅立ちを裏切りだなんて思ったりしない。』
そういって私に笑顔を向けた。
あぁ………本当に霧矢先輩はすごい。
『霧矢先輩…私、四ツ星学園に編入します!!
もう逃げたくないんです!
霧矢先輩を追い越そうなんて思ってません。ただ……霧矢先輩が見ている景色を見てみたい。霧矢先輩に追い付きたい!』
私は泣きそうになりながら思いを伝えた。
『醒邏ちゃん、私待ってるよ。同じ景色を一緒に見よう、成長して帰っておいで!』
霧矢先輩…必ず追い付いてみせます!
待っててください。
――――――END――――――
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