変化。

8/12
前へ
/22ページ
次へ
感情に任せて、蹴ってしまった葵は航海していた。 (どうしよう…。何も考えずにやってしまった。) 謝ろうと口を開いた瞬間、耳をつんざくような悲鳴が辺りを包んだ。 「キャーッ。」 突然叫んだ遥に驚き、どうしようかと悩んでいると、校舎から、教師五人が走ってきた。 「何があったんだ。」 経緯を伝えようとすると、葵の担任もいて、その隣には遥がいた。 「桜井泣いているのか?どうしたんだ。」 「実は、突然柳川さんに呼び出されて…。」 「柳川っ!?保健室じゃなかったのか。」 この状況は葵に分が悪すぎる。何とか真実を伝えようとするも、遥に阻まれた。 「私好きな人がいるんですけど、告白したら何故か柳川さんに恨まれて…。さっきも腕を蹴られたんです。」 そう言うと、青黒くなった痣を見せる。 青ざめた教師達は保健室に連れていこうとした。 今まで遥に向けていた穏やかな笑顔は、葵と目が合う頃には般若のようになっていた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加