0人が本棚に入れています
本棚に追加
「柳川。何であんなことをしたんだ!」
「誤解です!呼び出されたのは私の方で…。先に蹴ったのは桜井さん達です。」
そう言っても取り巻き達は教師より先に帰っている。
葵には弁解のしようがなかった。
「桜井がそんな事するはずが無いだろう!嘘をつくな。」
嘘じゃない!と言える雰囲気ではなく、先生に連れられて教室へ戻った。
「放課後職員室な。」と言われたのが、地獄への片道切符を貰ったようで恐ろしかった。
教室に入ると、皆もういなかった。そういえば今日は午前中授業だった、と思い、鞄に教科書を詰め込んだ。
「葵大丈夫?」
はっ…と後ろを振り返ると、奏と光希がいた。
「大丈夫だよ。」
「もー心配したんだぜ?」
安堵の表情で、奏は葵の肩を叩いた。
「痛っ…。」
「ちょっと何すんのさ奏。葵を力入れて叩くとか。」
「ほとんど力入れてねーよ。」
「違う。奏はわるくない…」
先程、遥の取り巻き達にやられたところがずきずきと痛む。
もう隠せないと思い、二人に事情を話す。
最後まで話終わった時、二人は何故か怒っていた。
「俺らのために体張るとか馬鹿じゃねーの?」
「退学になったらどうするつもり?俊介が悲しむよ。」
最初のコメントを投稿しよう!