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くだらない話をして馬鹿みたいに笑いあう。(奏は本当に馬鹿だが)それが日課となっていた。
「そういえば小学校の修学旅行でさ。葵だけ班が分かれて先生に泣きついてたよな。」
「それは昔のことでしょ!今はもう大人になったの。」
顔を真っ赤にして怒る葵には悪いが、迫力はまったくもってない。むしろ可愛い。
もうすぐ冬だというのに寒さを感じないのは、幼馴染達といるからだろうか。
二階建ての自転車置き場を少し冷たい風が吹き抜けていった。
「じゃあ、また明日ね。」
「「「ああ、じゃあな。」」」
それぞれの家は交差点を境にバラバラである。
各々の家へ帰っていく姿は、この者たちの未来を表しているかのようで、薄気味悪かった。
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