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朝7時。昨日の交差点に集まった四人は、『いつも』の様に、『いつも』通りに会話をし学校へ向かう。遅刻することなく靴箱に向かった光希たちは少し違和感を覚えた。
「なあ、俊介。靴箱に手紙入ってるぞ?」
ラブレター?と光希もからかう。
【秦 俊介君へ
入学したときから、俊介君のことが好きでした。
生徒会忙しいのは分かります。でも、返事が聞きたいので
できれば今日の放課後3階の資料室に来て下さい。
2-B 桜井 遥】
四人同時に銅像のように固まった。
「これって…」
「うん。ガチのラブレターだね。」
貰った本人は予想外だったのか、思考停止している。なかなか見られない俊介の間抜けな顔に三人は驚いた。
「…ていうか、桜井って超お嬢様だよね?」
「ああ。いつも取り巻きがうじゃうじゃと。何で俊介なんだ?この奏様の方がかっこいいだろ。」
鏡見たことある?と言った光希に、奏は落胆した。
そこまで落ち込まれてはフォローのしようがない。
奏を元気付けることは諦め、未だに呆然としている俊介を引きずって教室に入った。
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