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…放課後。
約束通り資料室に来た俊介達は、迷っていた。
「本当に行くのか?」
「馬鹿か。今日は俊介は生徒会がないんだよ?『告白されて用も無いのに行きませんでした』なんて失礼にも程があるだろ。」
「じゃあ私達は渡り廊下で待ってるからね。」
邪魔をしてはいけないと思い、少し離れたところに移動した三人はやっぱり少し不安だった。
~資料室~
「本当に来てくれたのね。遥嬉しい!手紙にも書いたけどね。遥、ずっと俊介君のことが好きだったの。 …それでね、付き合って欲しいなぁと思って。」
「その事だけど、僕は君の気持ちには応えられない。」
その一言で遥の目には涙が溢れていた。たくさんの物が積まれ窓が隠れた教室でも、遥の顔ははっきりと分かった。
「どうして。他に好きな子がいるの?」
「ううん。幼馴染って言ったらいいのかな?大切な仲間がいるんだ。僕達は四人でいつもいるから。」
そこまで言うと遥は、何も言わず教室から走り去っていった。
一分位呆然としていると、慣れ親しんだ声が聞こえてきた。その声を聞いて、なぜか安心した。
「俊介!今走ってった女の子だろ?泣いてたからびっくりしたぜ。」
「うるさい奏。傷心の俊介の傷をえぐるな。」
「まあまあ。…お帰り俊介。」
「ああ。」
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