〈2〉【 anna 1 】*

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『よくわからないけどね。遊ばれてるのと、遊ばれてないのの差は。どうやって見分けるの?』 また難しい質問を。 そんなことわかってたら、今ごろ私も違う人生かもね。 『今夜の予定は?』 同じこと聞こうと思ったよ。 「21時に約束してる。」 『デート?遅いね。』 「忙しいんじゃない?」 そう藤村は忙しい。商社マンなんてそんなもの。 でもなんでわざわざ木曜?だいたい金曜か、土曜で一泊が日常。しかもいつものクラブでないバーでって。 藤村は私を連れてクラブに行くのが好きだったから。 『じゃあ、ご飯行ける?』 話したいの?聞きたいの?遠慮がちに言ってきた千夏に頷く。 「難波でいいなら、20時45分までね。」 優先順位は男。 千夏はそこを攻めないし、わかってくれる。綺麗ごとを言わせない。そこも好き。 『ありがと!じゃ頑張って仕事片付ける。』 打ち合わせと言う名のおしゃべりタイム。 千夏はミーティングルームの空調を消した。 ちょっと最近、体調が悪いことは言わなかった。 謎の微熱。夏風邪ひいたかな。薬飲まなきゃね。
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