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『よくわからないけどね。遊ばれてるのと、遊ばれてないのの差は。どうやって見分けるの?』
また難しい質問を。
そんなことわかってたら、今ごろ私も違う人生かもね。
『今夜の予定は?』
同じこと聞こうと思ったよ。
「21時に約束してる。」
『デート?遅いね。』
「忙しいんじゃない?」
そう藤村は忙しい。商社マンなんてそんなもの。
でもなんでわざわざ木曜?だいたい金曜か、土曜で一泊が日常。しかもいつものクラブでないバーでって。
藤村は私を連れてクラブに行くのが好きだったから。
『じゃあ、ご飯行ける?』
話したいの?聞きたいの?遠慮がちに言ってきた千夏に頷く。
「難波でいいなら、20時45分までね。」
優先順位は男。
千夏はそこを攻めないし、わかってくれる。綺麗ごとを言わせない。そこも好き。
『ありがと!じゃ頑張って仕事片付ける。』
打ち合わせと言う名のおしゃべりタイム。
千夏はミーティングルームの空調を消した。
ちょっと最近、体調が悪いことは言わなかった。
謎の微熱。夏風邪ひいたかな。薬飲まなきゃね。
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