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④
あれからどうしたのかわからない。
でも、自分の部屋のベッドで眠っているみたい。キャミソールのまま。
ブラジャーない!あわてて起き上がる。
ベッドに突っ伏すように千夏が眠っていた。
私のブラジャーは、ベッドの端にたたんで置いてある。
なんで千夏がいるんだ?私がメールしたのかな?
バーテンのタマちゃんが電話したのかな?
なんにしても、久しぶりにやっちゃったんだ。
多分、家に帰ってすぐだったと思う。また出てきてくれたんだ。ごめんね。
そっと起きて水を飲んだ。頭が痛い。間違いなく二日酔い。
冷蔵庫を閉めた音で千夏が起きた。
「おはよ。」
『おはよ、大丈夫?』
「うん、ありがと。つぶれた?」
『うん。バーボン一本空けてた。』
千夏は何も聞かない、いつも。
「どうりで頭痛い。」
『今日、仕事は?』
「アポはないかな。」
『家描き?』
「うん。」
千夏は起き上がってキッチンに来る。へんな寝方してたからか、ブラウスがしわしわだった。
「ごめん、なんか着て。」
『ダンガリーのワンピース貸して。』
「OK」
クローゼットに迎いながら心の中でお礼を言った。もう何回もだけど。
いつもごめん、ありがとう。
二人でシリアルを食べた。
私の化粧品で化粧をした千夏は、私のワンピースを着て出社していく。
私のありがとうと、いってらっしゃいという声にいつもみたいに笑って、いつもみたいに手を振った。
ありがとう。
さあ、病院行かないと。
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