bigining of the end

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涙で視界がにじんでいるのに気づき、すぐに手の甲で涙をぬぐった。なぜ僕は眠りながら泣いていたのか? 目覚めたばかりでまだはっきりとしない頭を落ち着かせながら。今までに自分の身に起きた出来事を少しずつ思い出していった。  まったく嘘みたいな出来事だったな、と思った。僕はゆっくりとベッドから起き上がり、窓のカーテンを広げた。東京の朝の景色は雪一色に染まっていた。雪の白さが僕の行為の無実を証明しているみたいだと思い、僕はかすかに笑った。
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