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そう早口でまくし立て、彼は両手を僕のほうへ差し伸べて、握手を求めてきた。嫌々ながら、僕は彼の手を握った。
「すいません。先生は僕の主治医ですか?」
「ああ、そうだ。わたしは君の担当医だ。ところで充と詩織はどこへ行ったんだ? できれば彼らにも話を聞いてみたいんだが」
「みんなもういません。すべての人格は完全に統合されて、今はもう僕の頭の中には僕しかいません」
「では、次郎はどこへ行ったんだね?」
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