bigining of the end

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「次郎、まだ生きているか?」  充が車から降りて歩いてきた。充は僕の目の動きを見て、僕の生死を確認しようとしていた。 「充、なぜ君がここにいる? それにここはどこなんだ?」   僕はまだなんとかしゃべることができた。 「ここは俺が描いた空想の世界だ。俺はずっとここでハジメが来るのを待っていた。なにがどうなっているのかよく分からないだろう? おまえは、おまえが描いた空想の世界の中でハジメと詩織を殺して、ハジメになって目覚めた。でもここはまだ現実の世界じゃない。俺はおまえが描いた空想の世界を内包した、より大きな空想の世界をあらかじめ描いておいたんだよ。だからここはまだ空想の世界だ」 「この世界には、僕以外にも何人か人間がいた。あのおかしな医者だって人間だろう? 他の人間がいるのに、ここはまだ現実の世界じゃないのか?」 「いや、あれは全部、俺が人間に見えるように作った人造人間だ。あんなものも作ることができるなんて知らなかっただろう? どうせ教える必要もないし、この時のために、おまえには言わなかったんだ」
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