bigining of the end

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「充、大丈夫?」  誰かの声が聞こえた。誰かが眠っている俺に心配そうに声を掛けてくれている。意識は徐々に目覚めてきたが、俺の体は金縛りにあったみたいにまったく動かない。とにかく今は、誰かの声にだけ意識を集中させよう。 「充、もうカーテン開けていいの? まだなの?」  絢香の声だ。俺はやっと目だけ開くことができた。 「充だよね? 充なんだよね?」  俺はなんとか目だけでうなずいた。首から下は植物人間にでもなってしまったかのように、神経が働かなくて微動だにしなかった。 「絢香、窓のカーテンを開けてくれないか」  俺はやっとしゃべることができた。絢香は目を腫らして泣きじゃくっていた。俺は絢香の目を見て笑った。もう泣かなくていい。もう心配しなくていい。これからもずっと二人だけでいられるのだから。
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