異世界召喚に1言「ふざけんな`^´*」

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「彼方!捜しましたよ。人間共が貴方に未完成な転送魔法を掛けたせいで手当たり次第に捜すはめになり、大変でしたよ。」 不穏な空気漂う酒場のドアを勢いよく開け、俺の名前を大声で言いながら入って来たのは一際目立つ花色の長髪を俺から見て右(アルバーニから見て左)の方を三つ編みにしている瑠璃色の瞳を持った美人(男)だった。ここは話に合わせた方が良さそうだな。 「アルバーニ!すまない。俺もまさか人間共の罠にはまるとは思ってなかった。油断した………」 一瞬こちらに向けている視線が驚きの色を見せたがすぐ元通りになり今度は口元を緩ませた。そしていかにも『旧知の仲です』という雰囲気を醸し出し 「全くです。人間などがかけた罠に易々かかって。魔王様も心配しておりましたよ。さあ、帰りますよ。彼方。」 と言う。さも当然という顔で左手をすっと目の前に出される。内心若干戸惑いながらも出された手をとった。手をとるとアルバーニさんが瞳をふっと細め、笑う。 「さあ、行きますよ。もうこれ以上、人間がうろうろしている場所にいる必要は無いでしょう?」     
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