選ばれた者

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 土曜日の午後の一時(ひととき)……  大阪市内の繁華街にあるカフェ…… 「今年も、やってきたね……」 「やってきたわね……六月」  一年の半分にあたる六月……  その十五日……  それが、この二人、タクミとマドカの誕生日だ。  さらになんと、共に十五日生まれだった。  出会った大学一年の時、それを知った二人は驚き……  嘘のような偶然に、ゾクッとしたのだった。  そして今年で、学生生活も最後となった。  タクミは運命を感じながら…… 「このまま上手くいけば……」  ニヤッと笑った。 「何よ。上手くいけば?」  と言いながらマドカも笑った。
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