選ばれた者

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「じゃ、決まりー」  お互いに飲み干すと、タクミはマドカとカフェを出て、Rコーポの自宅に向った。  Rコーポは、そのカフェから十分ほどで、五階建てのマンションだ。  マドカはタクミ宅を訪れて、驚いた。  奥の壁に大きな日本地図があったからだ。  タクミは笑いながら、呆然としているマドカに、 「はい、これ」  ダーツの矢を渡した。 「参ったな……。マジだったのね……」  自分もダーツの矢を持ちながら、 「もちろん。さー、マドカからやっていいよ」 「えー……。私やったことないんですけど……」  と言いながらも、狙い始めた。 「大丈夫、大丈夫」  マドカは少し前かがみになって、 「お願いッ」  ダーツの矢を投げた。
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