選ばれた者

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 その矢は、名古屋の南部に刺さった。 「おッ、上手いじゃん」  マドカは照れながら、傍のソファーに座った。  タクミもマドカが立ったあたりに立ち、サッと矢を投げてから、 「あっ、仕舞ったー!」  彼が投げた矢は、先に刺さっているマドカの矢の近くに刺さったのだ。 「ダメだー! やり直し」  その矢を取ろうとすると、 「別にいいじゃない!」 「だって、これじゃ意味ないから……」  自分が投げた矢を取って戻ろうとした時、 「あっ、ダメだ! まがってるー……」  ダーツの矢の先が、まがってしまっていたのだ。
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