選ばれた者

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 タクミとマドカが目を覚ましたのは、車内アナウンスが名古屋到着を知らせている時だった。 「あーあ、しまった。途中の景色をゆっくり見たくって、新快速にしたのに……」 「久し振りの旅行で、ホッとしたんだろう……」  下車の支度をしながらタクミは笑った。  そして一緒に下車しようとした時、タクミが誰かに呼ばれた気がして振り向いている間に、マドカは先に行ってしまった。  ほんの数秒のことだったが、もうマドカの姿はなかった。  タクミは仕方なく西口に向った。
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