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理央
「ねぇ、待ってよ。」
前にいる3人は、一斉に階段を下り始めた。
足を痛めている理央は、3人にどんどん置いていかれてしまった。
「待ってよ…。」
今にも泣き出しそうだ。
カラカラカラカラ
後ろから車輪が回る音が聞こえてくる。
「いやぁー。」
とにかく必死で1階まで下りた。
あとは長い廊下を反対側まで行けば出口だ。
痛む足で必死に歩みを進める。
カラカラカラカラ
車輪が回る音が、どんどん近づいてくる。
理央は足の痛みと、迫り来る恐怖で冷静さを失い、目に入ったトイレに駆け込み、1番奥の個室に逃げ込んだ。
内側から鍵をして、出きるだけ身を小さくした。
ガタガタと震える体を、腕でキツく抱きしめた。
そして息を潜めた。
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