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煉瓦の道を歩きながら、子供の頃にこんな道を両親と祖父母と一緒に歩いたなあと、ふと思い出した。あれは七歳のときだ。街灯が点る道の先には百貨店があって、そこで誕生日プレゼントを買ってもらった。『火星探査隊 キャプテンターミガン』と、その相棒の『火星探査ロボット M―e1―088』のブリキの玩具だ。キャプテンターミガンはすぐに壊れてしまったが、M―e1―088は少年の頃からずっと僕の親友だ。今も家でマイカと一緒に僕の帰りを待っている。
道の先に細長い建物のシルエットが見えてきた。きっとあれが遊園地のアトラクションだろう。最後の街灯まで辿りついた瞬間、魔法のようにさっと濃霧は消え、建物と、その前に立っている人物の姿がはっきりと見えた。
「アーサー・ジンデル様、いらっしゃいませ。金星灯百貨店へようこそ。われわれはあなたを心よりお待ちしておりました」
そこには塔のようなビルディングと、制服に身を包んだ美女が立っていた。
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