彼女との時間

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十二月の定例セミナーの日がやってきた。 どの企業も多忙な十二月は、他の月以上にクオリティに気を配って講演者を配置する。 今月はいよいよ香子の出番だ。 元々の講演者が事情により欠員となり、香子は後から人選し依頼したピンチヒッターだったが、僕は一切心配していなかった。 他の講演での評判は上々で、しかも香子がチーフとして率いるチームは近年コスメ関連の賞を総ナメにしている。 一年を通じたセミナープログラムの中でも目玉といっていいほど、彼女は業界話題の人だ。 何より度胸と器用さがある香子なら必ず高いパフォーマンスを見せてくれると僕は信頼していた。
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