第2章 白雪姫とシンデレラ

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「まぁ、そうね……魔法の杖は使うわ。でもね呪文がちょっと違うかな。できれば王妃様には……いや誰にも呪文は聞かせたくないのだけれど……」 「なぜ? 聞いてしまうと私も花瓶になっちゃうとか?」 「いやいや、そんなミスはしないわ。新人の魔法少女じゃあるまいし。ただねぇ呪文はビビデバビデじゃなの。あまり聞かせたくないっていうか……絶対イヤだっていうか……その……アレなのよ……」 「ん? アレって? よくわからないけど呪文が特殊なのかしら? 下手くそなバイオリンみたいに耳障りな感じとか? でも大丈夫よ! 私気にしない! 見たい! 魔法が見たいのよ! 見せて! お願い!」 一国の王妃であるにも関わらず、命令ではなく両手を合わせ必死にお願いする王妃に、とうとう根負けしたフェアリーゴッドマザーは折れた。 「……分かったわ。王妃様に無理なお願いを最初にしたのは私だもの。今回は特別に魔法をお見せする。ただ……何を見ても何を聞いても決して驚かないでね。それから魔法の現場に術者以外の第三者が立ち会う場合、簡単な作業協力が必要になるから、その時はお願いね」 ____王妃は作業協力ってなにかしら? と思いつつも、渋っていたフェアリーゴッドマザーが目の前で魔法を見せてくれるという事に舞い上がってしまい、わからないまま何度もウンウンと頷いた。     
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