第2章 白雪姫とシンデレラ

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◆ 「みんなぁ! 用意できたよー!」 キッチンから白雪姫の声が明るく響いた。   テーブルの上にはたくさんの料理が並び、白雪姫がニコニコと手招きをしている。 ミニヒマワリの花束は黄金の花瓶に収まって、テーブルからも良く見えるようにとカウンターの上に飾られた。 「わぁ! ステキ! でもこんな大きな花瓶ウチにあったかしら?」 と、不思議そうに呟く白雪姫に王妃とフェアリーゴッドマザーは目を合わせニヤリと笑った。 「じゃあ、みんな席に着いて―。お母さんは私の隣! フェアリーゴッドマザーは向かいのこの席! それから……あれ? もう一人いらしたわよね? バタバタしてたし、自己紹介はランチの時にと思ってたけど……どこにいらっしゃるの……?」 白雪姫がキョロキョロと広くない小屋の中を見渡した。 フェアリーゴッドマザーは立ち上がり、 「シンデレラ? どこにいるの?」 と、呼びかける。 「シンデレラ……どこかで聞いた事のある名前だわ……」 王妃は首を傾げ考える…… シンデレラ……シンデレラ……シンデレラ…… 「……こ、ここです。ごめんなさい……私、手伝いもしないで……」     
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