第2章 白雪姫とシンデレラ

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◆ 幼い頃に母親を亡くしたシンデレラ。 数年後に父親が再婚をした為、継母と姉が二人が家族に加わった。 継母と姉二人は、内気すぎてまともに話もできないシンデレラに対して本当に優しくしてくれた。 継母は実の娘達と分け隔てなく可愛がってくれたし、姉二人はなんとかシンデレラに笑ってもらおうと歌を歌ってくれたり、彼女達の大事な人形をプレゼントしてくれたり、本を読んでくれたりもした。 そんな新しい家族の優しさに徐々に心を開いていったシンデレラだったが、極端に恥ずかしがり屋の性格が邪魔をして、ずっと感謝の気持ちを表に出せずにいたのだ。 今日こそは大きな声でありがとうと言うんだ、お継母さんとお姉ちゃん達が大好きだって言うんだと決心しても、いざ彼女達を前にすると声が出ない。 シンデレラはそんな自分を変えたいと強く願ったがそれが叶う日はなかなかやってこなかった。 だからせめて家の中の掃除や洗濯、食事の用意、そういった一人でできる作業を率先してするようになった。 家の中をきれいにして、おいしいごはんを作ってあげたら、彼女達に少しでも喜んでもらえるのではないか、感謝の気持ちが伝わるのではないかと淡い期待を込めて一生懸命家の手伝いをした。 その頃あたりから町で嫌な噂が立つようになった。 内気な性格ゆえに友達のいないシンデレラは知らなかったが、 『あそこの家の継母と連れ子二人はエラを苛めているらしいよ』 『エラが自分の娘よりキレイだから嫉妬しているんだ』 『その証拠に見てごらん。エラは毎日家の雑用をさせられているじゃないか』 『かわいそうに灰だらけじゃないの。あれじゃ灰かぶりのエラだ。シンデレラだよ』 と、言いたい放題だったのだ。
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