第2章 白雪姫とシンデレラ

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「わ、私が、余計な事をしたばかりに、お継母さんとお姉ちゃん達を悪者にしてしまったのです……私は、何も知らなくて、馬鹿みたいに毎日掃除をしてました……」 そう言って声を震わすシンデレラは、絞り出すように話を続けた。 舞踏会当日____ 継母は三人の娘達の為に無理をして新しいドレスとアクセサリーを用意してくれていた。 「あなた達三人とも美人さんだから、母さん鼻が高いわ」 きれいなドレスにキャーキャーとはしゃぐ二人の姉の横、シンデレラは遠慮がちに綺麗な布地を撫ぜていた。 素敵なドレスにアクセサリー、まるでお姫様だ。 こんなドレスは見た事がない。 シンデレラは嬉しくて仕方がないのに、そういう気持ちを表に出すのが下手くそだった。 それゆえにぱっと見は無表情。 知らない人がそれを見たら、せっかくのドレスを前に不機嫌な顔をするなんて……と呆れられる事だろう。 だがしかし、継母はそんなシンデレラの様子を視ながら静かに微笑みこう言った。 「エラ、嬉しいのね?」     
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