第2章 白雪姫とシンデレラ

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◆ 「もちろん、お姉ちゃんにもお継母さんにも、それはできないって言われました。このドレスはエラの為のものだからって。でも……泣いてるお姉ちゃんを何とかしてあげたかった。それに、あの時初めて自分の気持ちを声に出して言えた事の方が嬉しくて舞踏会に行けなくても充分幸せって思ったんです」 シンデレラはその時を思い出したのか嬉しそうに微笑みながら先を話す。 姉二人はそれなら三人とも舞踏会に行かないで、家でみんなでおしゃべりをしましょうと提案してきた。 けれど、シンデレラは頑なに首を横に振り、姉二人を強引に部屋に連れていくと、ドレスを着せてメイクをし、髪も綺麗に結い上げた。 そして、 「二人ともとっても綺麗です。さあ、そろそろお迎えの馬車が来ますよ。私は大丈夫、だから笑って、そして楽しんできて。帰ったらお話をいっぱい聞かせてください」 せかすように姉二人を送り出したシンデレラ。 気が付けば継母の姿はない、どこかに出かけてしまったのだろうか?
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