第2章 白雪姫とシンデレラ

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◆ 「あの日……お継母さんはどうしても私を舞踏会に行かせてあげたいと、足を血だらけにしてフェアリーゴッドマザーを探してきてくれました。そのおかげで、私は舞踏会に行く事ができ、王子様と結婚する事ができたのです、」 シンデレラの話に感動して涙ぐむ白雪姫。 その隣でシンデレラもフェアリーゴッドマザーから『セイセイ』言われたのだろうかと、どうしても考えてしまう王妃。 「お城の暮らしはまだ慣れないけど、夫は優しいし……幸せ、なんだと思います。でも、町に残してきたお継母さんとお姉ちゃん達が気がかりで……町ではいまだに私が実家で苛められていたなんて根も葉もない噂が出回っていますから……」 シンデレラは美しい顔をに影を落とし清らかな涙を流した。 「結婚してから一度も家族に会っていません。噂を聞いて心配した夫が会わせてくれないのです。もちろん、そんなのはデタラメですって何度も訴えました。でも、信じてもらえません……」 白雪姫は日に焼けた顔をクシャクシャにして、滝のような涙を流し聞き入っている。     
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