第2章 白雪姫とシンデレラ

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「お二人がうらやましいです。私と同じで、母娘の血の繋がりはないのにすごく仲が良くて、なんでもぽんぽん言い合えて、私もお二人みたいになりたかった。私は家族に迷惑ばかりかけているから、もう嫌われてるかもしれないけど、みんなに会いたいです。会ってあやまりたい、」 そこで言葉を切ったシンデレラは両手で顔を覆いシクシクと泣き出した。 白雪姫はシンデレラを慰めようとしているのだが、嗚咽にじゃまされ言葉がうまく出てこない。 森小屋のリビングには二人の鳴き声だけが響いていた。 フェアリーゴッドマザーが泣きじゃくるシンデレラの肩を抱きながら、真っ直ぐに王妃を見た。 王妃もまた嗚咽する娘の背中をさすりながら、一呼吸置くと静かに話し始めた。 「ねぇ、シンデレラ。私もね、民間から王族にお嫁に入ったクチなのよ。あなた……さっき『夫は優しいし、幸せ』って言ってたけど、本当はすごく大変でしょう?」 シンデレラは王妃の言葉に泣き顔を上げた。     
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