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王妃はそう言ってシンデレラの小さな手をとると繋いで歩き出した。
突然の手繋ぎにシンデレラの胸はドキンと大きく高鳴って、顔はおろか耳まで真っ赤にして俯いてしまった。
ドキドキして顔が上げられないシンデレラは前方から来る人々にぶつかっては、小さな声であやまりまくっていた。
「ちょっと、シンデレラ。ちゃんと前見て歩きなさい。ケガしたらどうするの」
王妃に注意されたシンデレラは更に真っ赤になりながら、
「ご、ごめんなさい……手を繋いでもらうなんて、幼い頃亡くなったお母さんの時以来で、その……嬉しくて……あの……ありがとうございます……」
「いいのよ、私も娘がもう一人増えたみたいで嬉しいんだから。ねぇ、シンデレラ。この1か月よく頑張ったわね。あなたは本当に頭の良い子だわ。この短期間で私達の教えた事を完璧にマスターしちゃうんだもの」
褒められたシンデレラは高速で顔を横に振り、またも人とぶつかりあやまりながら答える。
「そんな事ないです。覚えの悪い私に根気強く何度も教えてくれたから…それに、この1か月すごく楽しかったです。最近ではお城の人達に笑われる事もなくなりました」
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