第2章 白雪姫とシンデレラ

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「そう! 良かったわ! あなたが馬鹿にされると、私も昔の悔しさがよみがえって暴れたくなっちゃうの! これからも何かあったらいつでも連絡してきなさい。まぁ、用事がなくてもいつだって連絡してきていいんだから。みんなでごはん食べましょう」 「……はいっ!」 町の中心部にある円形のその広場は、宝石店や洋品店といった建物がぐるりと囲むように建ち並び、各店の入り口は共通して広場側にある。 磨き上げられ鏡のようなガラスの扉すべてにクリスマスツリーが映り込むものだから、よりいっそう人々の目を楽しませていた。 「あ! やっと来たー! こっちこっちー!」 クリスマスツリーの前でぴょんぴょん飛び跳ねながら手を振る白雪姫に、王妃とシンデレラが合流した。 「きれいだねぇ! シンちゃんの国のクリスマスはウチの国よりすごいよ! ねっ! お母さん!」 「そうねぇ……」 王妃は気のない返事をしながら、人ごみの中をキョロキョロと見渡している。 「お母さん? どうしたの?」 「え? あぁ、ごめん。実はね、今日はここで待ち合わせをしてる人達がいるのよ。一人はフェアリーゴッドマザー。それとあと三人……でも、まだ来てないみたい」 フェアリーゴッドマザーの他にあと三人? 誰だろうねぇと首を傾げる白雪姫の隣で考え込むシンデレラ。 「王妃様、今日……王妃様の国でも白雪ちゃんの森小屋でもなく、この国で会おうって誘ってくれたのは……そして待ち合わせの三人って……それは……もしかして……」     
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