第2章 白雪姫とシンデレラ

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「フェアリーゴッドマザー! あなたはもう走らなくていい! 広場にあるお店どこでもいいから中に入って避難して!でも急に止まっちゃダメ! 体に負担がかかるから! スピードを徐々に落としてね!」 フェアリーゴッドマザーは余程限界が近かったのか素直に頷くと、進行方向を変え一番近い宝石店へと向かって行った。 「次にこっちは二手に分かれるわよ! お姉さん達の二人組とシンちゃんとお継母さんの二人組になって! あいつらの狙いはお継母さん達よ! 固まってたら、デカイあのツリーで一撃されるわ!」 まったく息の乱れない白雪姫の指示は続く。 「お姉さん達、疲れただろうけどもう少し頑張ってスピードを上げて広場の一番奥の出入り口まで逃げて! そこならもし追い付かれてもツリーは引っ掛かって通れないはず! さぁ! 早く行って!!」 姉二人は母親と妹より先に行く事に若干の躊躇を見せるも、自分達を懸命に守ろうとしている鋼の美青年を信じる事にした。 「「お兄様! 母と妹をよろしくお願いします!」」 そう言い残しスピードを上げる姉妹の背中に愕然と片手を上げる白雪姫。 「お兄……って違うし……でもま、いっか!!」 え? 違うの? と末娘を見る継母に、シンデレラは白雪ちゃんは女の子だよと誤解を解いた。     
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