第2章 白雪姫とシンデレラ

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シンデレラはぼたぼたと涙を零し、叫びださないように口元を両手で押さえ、その足を凝視した。 あの靴……あれはお継母さんの一番のお気に入りの靴だ。 昔あの靴を丁寧に磨きながら、大事な人と会う特別な日にだけ履くのよ、と教えてくれた事があるもの……お継母さん……もしかして、私と会う為に履いてきてくれたの? 「い、いや……いや……やだよ……やだよ……お母さん!! やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 シンデレラは悲痛な叫びと共に継母の元に駆け寄ると、どうにかしてここから出してあげたいと必死に考えた。 だが、シンデレラの細腕にツリーはあまりに大きすぎる。 どうにもできないシンデレラは無意識に友の名を呼んでいた。 「白雪ちゃん……お願い……助けて……」  その直後だった。
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