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「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
聞き覚えのある野太い声がした。
と、思った次の瞬間、ザザァっという枝葉の擦れる音と共ツリーが勢いよく起き上がった。
「白雪ちゃん!!」
突然ツリーの中から現れた友は背中で大木を支えている。
驚くシンデレラにいたずらっぽく片目をつむる白雪姫は、
「私の事、呼んだでしょ?」
と、笑った。
とは言えさすがの白雪姫も限界が近かった。
落ちてくるツリーの下敷きになりそうなシンデレラを見た白雪姫と継母が、ほぼ同時に走り出し、突き飛ばす事で娘を守った継母を助けようと白雪姫はその背中でツリーを受け止めたのだ。
だが、ツリーは思ったより数倍重かった。
白雪姫の下で気を失っている継母を庇うあまり、足の踏み場が決まらず踏ん張りがきかない。
とりあえず継母を潰さないように現状維持をするのが精一杯で身動きが取れずにいた。
そこにシンデレラの悲鳴と泣き声、そして小さいけれど自分の名を呼ぶが耳に入り瞬間的に力が湧いた。
だが、もう背中の感覚がなくなってきている……急がなくては。
「シンちゃん、今のうちにお継母さんをここから出してあげて」
白雪姫は自分が苦しいのを悟らせまいと勤めて明るく言った。
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