瑠璃の虚空にきみを想う

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病院に到着するとすぐにレントゲン室に運ばれた。 右足首の骨が見事に折れて炎症を起こしているらしい。 緊急オペ。 台に固定され部分麻酔でプレートを入れられた。 「どれくらいで治りますか?」 「うーん…1, 2ヶ月からは掛かるかもね。スタントでもしたの?映画の撮影でしょ?すぐに来なきゃ駄目じゃない。酷いもんだよ?」 執刀医師が僕の着ていた昭和テイストの服を横目に見て叱責する。 古ぼけたシャツとズボンは奈緒が不器用に繕ったもの。脱がせるために切り刻まれて残骸となってしまった。 あの村で笑っていた日々が否定された気がして目尻から涙が落ちる。 「…今は何年です?」 医師と補助の看護師が顔を見合わせてから僕を見た。その眼は憐れみって云うんだぜ? 「2017年7月22日。土曜日だな。」 「…」
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