『COMPILER』

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「久留実さんの方は、望月の弟子が狙うと思う。こっちは、火災の可能性が高い」  建築関係の男が、放火魔でもあった。それも、普通の放火魔ではなく、火を育てない局部火災のプロであった。いかに、人以外を燃やさないかを、楽しんでいる。 「久留実さんと。家族は、狭い場所、個室で狙われる可能性が高い」  トイレ、風呂などが特に危険であった。  綺麗に人だけ燃やそうとする。手口を知られたくないため、防犯カメラのない個室を選ぶ。  こっちは、連続殺人鬼に近いので、警察に捕まえさせるのが一番いい。 「……犯人を捕まえる」  そこで、洗濯が終わったので、家の後ろに作った干し場に行く。屋根が付いているので、雨が降っても平気で、しかも外からは見えないようにしている。 「あ、夕飯を作ろう」  キッチンに行くと、宍戸と通信が繋がったままであった。宍戸も気にせずに、風呂に入っていた。 「ただいま、氷花」  慶松が帰って来ると俺にキスしようとするので、宍戸と会話中だと端末を見せた。すると、画面の向こうでは、孝弘が部屋にやって来ていた。 「あ、キスしている」  宍戸は見られていても、全く気にせずに、孝弘と唇を合わせると、そのまま布団に押し倒していた。 「宍戸君、あまり時間がないよ」  孝弘も、まっすぐに家に帰って欲しい。しかし、孝弘は幾度もキスを繰り返し、服を脱がされてゆく。 「あ、最初にパールを入れてしまうのか」  慶松が真面目に観察している。俺は、慌てて端末の電源を切った。 「覗きはしない!」 「はい!」  慶松は、食事の前に風呂に行っていた。 「氷花、夕食は何?」 「ロールキャベツにしてみた」  タオルで頭を吹きながら、慶松はキッチンで鍋を覗く。 「慶松って、結構、エッチだよね」  ついでのように、慶松が俺の尻を揉んでいた。 「男ならば、これは常識!」 「俺も男ですけど……」  慶松は、乙訓のいる公園の住所のメモを俺に渡してくれた。 「無理しないようにね」 「分かっている」  でも、俺の世界は一つしかない。そこに存在する事件は、全て繋がっている。 第十三章 ここに在るのは罪 三  宍戸の予言として公表されたリストは、石田の家族の件は載せていなかった。まず石田の家族のマークを始める。  これは、宍戸が手を貸してくれていた。
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