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言葉で死を招くという特技を持った者で、普段は紳士で正義のように見える。しかし、狂気の面があり、愛する者を奪われる事に快感を覚える。そして、望月の信者には、変わった性癖の者が集う。でも、共通している部分は、正当化しているが、死が好きだということだ。殺人をしてまで死を作り、悲しむ事が嬉しくてしょうがない連中であった。
「その望月の信者に、焼死マニアがいるのです」
望月は、正義を盾にする。今、望月は石田を殺された復讐という正義を持っている。
「二人の親の久留実さんは、女装癖があり、同じ女装癖や、性的マイノリティを庇っています」
望月は、正義という刃を持てと言っている。そこで、久留実を紹介すれば、誰かが襲う。そして、子供を好んで殺す者がいる。
「そうなのか、悪と認定されてしまったので、殺していいとなったのか」
そこで乙訓が、自分が作る人形を、性的に見る連中が嫌いで売らなかったのだと説明してくれた。しかし、公開している事も悪であったのかもしれない。
作った人形が全て盗まれ、目の前から消えた時、乙訓は自分の罪も知った。
「家族よりも大切なものでは無かった。そう言っておけば良かった」
乙訓は、自分は人形と家族を、同等にしていると思われてしまったと感じていた。
「役に立つのならば、資料を持って行ってください」
暫し、乙訓が正気に見えた。
「自宅に来てください」
案内された、乙訓の自宅には、今も人形製作の部屋が残っていた。しかも、大量の人形があった。子供にあげるものではなく、昔のままの箱庭のような世界があった。
家族を失っても止められないものなのかと、作品を見てしまうと、これはシリーズになっていた。失われた家族が、もしも生きていたならばという世界を作り続けている。
精密に作られた、小さな世界であった。
「これも、売らないのですか?」
「いいえ。これは買い手がいれば売っています。残ってしまうのが、このシリーズなだけです」
それは、買い手はいないであろう。
「これが資料ですよ」
資料が、人形の中から出てくるとは思わなかった。データ化されていて、記憶媒体が人形の口の中に隠されていた。
「コピーしてゆきます」
しかし、既に乙訓はコピーを用意していて、俺に渡してくれた。
「あれ、この子は心臓が悪い」
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