275人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、捕まえた。こうやって、誘拐されそうだよ。氷花、心配だなあ」
俺は慶松の手を払って、店から出てゆこうとした。
笑った慶松が、俺に車の鍵を投げてきた。
ラーメンの仕込みは、結構時間がかかる。
慶松は、店を開くのは十一時からであるが、朝からスープを煮込んで用意していた。
特に力を入れているのは、野菜ラーメンであった。
これは美味しいという事に、意味があったのだそうだ。
慶松は野菜ラーメンを極めて、野菜に目がない俺がやって来るのを待っていた。
そして、俺は噂を聞いて本当に、この店に来てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!