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遠見の首は、日々進化しているが、自分では掻けない。
「あ、蚊に刺された。薬を付けてくれる」
長い首に、虫刺されの薬をつけて、ついでに、虫避けのスプレーをしておく。
「氷花君、その画面の角度を変えてくれる」
「…………」
角度も操作できるようにしておこう。
遠見に、自分の事はより自分でできるように、機械の補助を足してゆくのが、
慶松の仕事でもあった。
「氷花君、客にお茶を出してきて」
「雑用に来たのではありません」
遠見も、聡子には面倒を掛けている自覚があり、あまり言えないようだ。
でも、俺には容赦なく用事を言ってくる。
俺は茶を淹れると客に持ってゆき、再び部屋に戻った。
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