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金曜日、営業一課の柴田と駅前で飲んで帰ると、
ラーメン屋松吉の裏でアルバイトが何か口論をしていた。
時計を見ると、九時といったあたりで、
いつもならば店長の慶松(けいまつ)が上がる時間であった。
「どうしたの?」
ラーメン屋松吉の裏で口論していたのは、アルバイトの大学生、西田と鈴木であった。
いつもは仲のいいアルバイトであるので、何か仕事上でのトラブルかもしれない。
「西田が配達の注文を請けてしまって。でも、松吉は、最近は配達をしていないのですよ」
店が軌道に乗るまでは、定食の配達などもしていたが、今は店内のみでも手が回らず、
配達は断っていた。
それなのに、西田が注文を請けてしまったという。
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