第一章 森に埋めた思い出

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 俺は、氷花 護浩(しが まひろ)二十四歳、大企業であるK商事の企画課に在籍している。 元々は営業で、社長の引き抜きで企画課になってしまった。  俺は、ストーカーや殺人未遂事件?などを経て、今はラーメン屋松吉の裏手にある、 一軒家で慶松と同居している。  慶松は同じ年で、一流会社に入社したものの合わず、ラーメン屋松吉の店主をしていた。  今日の出前依頼は、隣の焼き肉店から出てきた女性が、ふらりと松吉に入ったが、 ラーメンを一口食べて、お腹一杯で食べられないから持ち帰ると騒ぎを起こした。  そこで対応した西田は、ラーメンは伸びてしまうので持ち帰れませんと説明したので、 では餃子を頂戴となったらしい。 しかも、二十皿を持ち帰りすると言い出し、混雑時であったので後でとなった。 それが、配達ということになってしまったらしい。 「そうか、大変だったね」  配達の住所を見ると、かなり離れていた。 西田は自転車で来ているので、代わりに配達に行くかと住所を暗記する。
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