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夢の中で、母が俺に向かって両手を広げてくる。
小さい俺は笑顔でその胸に飛び込む。
――あなたは、特別なのよ――
それが口癖だった母は、父を追うようにいってしまった。
そうだ、彼女は、どこか母に似ている。
亡き母に対する想いが、彼女への好意につながったのか。
だとすれば、それはよいことなのか、そうではないことなのか。
夢から覚めた俺は、“彼女”を想うことに罪悪感を感じる自分を見つけた。
しかし、その想いがどうしようもなく高まっていく自分も見つけることになり、俺はしばらく携帯を手に電話をかけるか否かで葛藤し、結局は彼女に電話をかけることにした。
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