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もちもちと頬を膨らませて、恍惚の表情の湊。
白い頬にあんこがついてるのを春は、指で拭って舐めとる。
「湊も半分こできたらいいのになぁ」
なんの事、と首をかしげる湊の肩が陸に引き寄せられて、頬をペロリと舐められた。
「俺は一個まるごと欲しいけど?」
舐められた頬を片手でおさえた湊は、まばたきを数回してから交互に春と陸を見る。
「そんな事言われても、もう大福は全部食べちゃったよ?」
ちゃぶ台の上は、可憐な乙女の衣装がカラカラと転がっている。
そこにはさっきまでの背徳感も後悔もなく、ただ至福で美味で最高の時間を共有できた、満足感と幸福感で満ちていた。
分けあえたからこそ。
三人だけど、半分こできた。
*end*
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