第1章

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全てが不思議だった。出かけてすぐに何かが違うと思った。辺りを注意深く見ながら最初の家に向かった。封筒に入った地図を出す。ここで初めて目にする。地図に記された赤い点、訪ねると消える。この地図が真っ白になったら終了という事だ。分かりやすくて有り難い。 「タッちゃん、これ不思議な地図だね。」 「ああ。これからもっと不思議な事が起きるかも知れないからな、リョウ、問うてはダメだぞ。忘れるなよ。」 「うん。わかった。」 最初の家のインターフォンを押す。中から人が出てきた。こんにちはと挨拶をすると俺達をじっと見た。首から下がってるプレートを確認すると、竹で編んだ小さなザルみたいな入れ物を持ってきた。中に入っている飴玉を巾着に入れてくれた。 「ありがとうございます。」 お礼を言って頭を下げる。 「ご苦労様。気をつけて行きなされ。」 会釈してその場を後にした。特に気になる事はなかった。タッちゃんと地図を確認するとさっきの家を示す赤い点が消えた。 なるほど、こういう感じか。それにしても地図には赤い点がたくさんある。でもまだ始まったばかりだ。タッちゃんと次の家に向かった。
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