第1章

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それから数日、挨拶とお礼の言葉以外、喋らないように心がけて飴玉集めに勤しんだ。 そして、わかった事がある。 俺達が紛れ込んだ世界は奇妙な場所だった。 パーツの名前は同じでも場所が違う。それがわざとなのか、本当なのかわからないけど、タッちゃんと集めた情報を整理して苦笑いした。 俺達の認識している口は、ここでは耳。 目は鼻、鼻は口、耳は歯。歯は目。 本当にやめて欲しい…頭が変になる…。 「お婆さんが、聞いた事をよく考えて理解しろって言ってたよな。リョウ、何だかよくわからないけど、あと少しで地図も白くなる。頑張ろう。」 「うん。頑張ろうタッちゃん。あと少しだ。でもさ、これ、うっかり話しかけて聞いたとしたらどうなるのかな…いや、考えるのはやめよう…うん、やめよう。」 タッちゃんは何言ってんだと笑った。集めてくる飴は、やっぱり丸の半分でキャンディポットの中で飴玉になる。毎年、貰っていた飴玉は、実は飴玉の半分は神のキャンディポットが作っていたなんて準備する者に選ばれなかったら知らなかった。本当に不思議だ。
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