第1章

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そう言えば…飴玉…去年もその前も、新月が過ぎて準備する者が役目を終えた時、各家に人数分の飴玉が配られてた。何だかとても有りがたい感じがする袋に入っている飴玉は1年を無事に過ごせるように必ず、ひとり1個、食べるんだ。 「おじちゃん、もしかして、集めるのって、いつも貰う飴玉なの?」 「そうだ。だが亮太、あれはただの飴玉ではないのだよ。お前達が明日から行く所は、この町だがこの町ではない。来る途中にお婆さんに会ったのなら、教えて貰っただろう?決して問うてはならぬと。」 「おじちゃん、あのお婆さんは俺達に、よく聞いて考えて理解するんだよって言ったんだ。」 「そうか。樹、その通りだよ。ふたりともお婆さんの言葉を忘れないようにな。それから、無事に帰っておいで。樹と亮太なら大丈夫だ。」 何だか緊張してきた…何かが起こるのは決定らしい。いろいろと忘れないようにメモを取った。そして、神主さんは、新月の夜にまた会おうと言うと部屋を出た。 「タッちゃん、無事に帰っておいでって…ハハ…。これから不思議な事が起こるみたいだね…。」 「ああ、そうだな。ちょっと、話を整理しよう。リョウの事だ、こんがらがってんだろ?」 「よくわかったね…ハハハ」
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