16人が本棚に入れています
本棚に追加
初めは、本当に嬉しかった。
こんな自分が周りから綺麗だと思われていること、男性から好意を持たれることは、自分は人より優れているのだと、私はここに存在する価値が大いにあるのだと言われているようだった。
毎月20日は腹痛の始まりで、映画やカフェ、カラオケなど巷に溢れる女性限定割引を差し引いても、男には一生分からないこの苦しみが付きまとう分、女は損だと、ずっと思っていた。
でも。女として生まれた幸せを、生まれて初めて実感できたとき。世の中はこんなにも自分を心地よい気持ちにさせてくれるもので溢れかえっているのかと、世界が変わった。
自分はほとんど変わっていないのに、世界が自動的に、電気スイッチのようにカチッと切り変わったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!