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ここは私立・祠堂学院の図書館。
小・中・高一貫教育の俗に言う
”お坊ちゃま学校”で、
全校生徒の約8割が資産家のご子息様だ。
ボクが初めて彼を間近で見たのは中学生の時。
―― 彼は放課後になると大抵は、
窓際の同じ席で静かに本を読んでいた。
彼について知っていた事は、人伝てに聞いた
うわさ話しでしかないんだけど。
何時見ても他の生徒達のように誰と群れる
という事もなくて、大抵は1人の時が多かった
ように覚えている。
彼が着ている制服は袖の処へ黒地に金と銀の
2本線が入っているから彼は高等部の特待生。
それに、ネクタイが濃紺って事は3年生だ。
初めは、彼がどんな本を読んでいるのか?
が気になり。
それから、本を読んでいる時の彼の楚々とした姿が
脳裏から離れなくなり。
彼女はいるのかなぁ……いや、寧ろあれだけの
イケメンでいない方が可怪しいでしょ ――
とか。
今度一緒にランチしてくれないかなぁ……とか
あり得ない夢想に耽っているうち、
その夢想は妄想へと変わり。
その妄想の世界で彼は自分の恋人で、
週末デートの締めくくりには当然のようにエッチを
していた。
けど、リアル世界の彼はもうすぐ留学するとの
情報を入手した頃、やっと自分の気持ちに
気が付いた。
好きです すきです スキです……好きです、
羽柴先輩……。
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