標本二「Mement / mori」

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標本二「Mement / mori」

 人生観を聞くことは楽しい。  その人が何を目的に生きようとしているのか、そして死のうとしているのかが分かるからだ。人生を一つの映画だとするなら、産声はオープニングソングで葬式はエンドロールだけれど、鑑賞できるのはただ一人その人本人だけでしかなく、外からでは覗き見ることしかかなわない。  まあそれでも僕はいい。ポップコーンもふかふかの座席もない映画鑑賞など、落ち着いて楽しめたものではないし?  人が生きるということはどうしようもなく、少しずつ死んでいくということでもある。死ぬために生まれたという言葉があるし、僕もそれはある種一面の真理を得ていると思うけれど、でもちょっと違うところもあるような気はするかな。  何故なら人はたしかに死ぬために生きているけれど、死ぬために生まれてきたわけじゃない。だって君、死のうと思うやつが生まれてきたりすると思うかい。まあそういう人もいるんだけど。  死ぬために生きてるけどそのために生まれてきたわけじゃない、でもこれは矛盾ではないんだ。先に言っておくと幸せになるために生まれてきたわけでもないから、現在不幸の皆様はご安心ください。 ~標本二の立ち読みはここまで~ 残りは紙面でお楽しみください!(人生言ってみたかった台詞No.34)
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