お星さま

2/13
前へ
/149ページ
次へ
「星さんは…ケチだなぁ…。」 俺が子どもだったから? 何か代償が必要なのだろうか? 「星に文句言うなよ。」 後ろから聞こえた声で、思い出から帰ってきた。 「…文句も言ってやりたくなるよ。これだけ綺麗なんだから。」 「今日はよく見えるな。」 「いつも綺麗だよ。人間は発達した機械を下を向いて見ているから、上を向かなくなったの。みんな、星がいつも綺麗に出てたって気にも留めないでしょ?」 「痛いところつくなよ。」 「俺個人の意見だもん。お前が何を思ったって知らないよ。それに、みんなが星を見てないなら俺の独り占めだね。」 「今度から俺も見る。」 「えー…じゃあ特別感ないじゃん。」 「知るかよ。」 「まあ、いいや。星は、損な商売だからね、誰かが見て褒めてやらないと。」 「損な商売?」 「うん。」
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加