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しかし俺は、そこであえて、いつもの通り掘り下げる。
「うん、普通の話だな。それで、この話のオチは?」
それを受けた蕗野は、バツの悪そうに頬を人指し指で?きながら、話のオチを話す。
「だから、待っている間じろじろ見られていた僕が、その時だけはその人をじろじろ見ちゃって、気味悪がられたって話」
……………………。
俺は苦笑した。
「お前、相変わらず話のセンスがおじさんだな『とおちゃん』」
そのあだ名を聞いた途端、蕗野は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「その言い方やめてくれよ。僕がだいぶ年を取ってるようじゃないか……」
蕗野は舌打ちしそうな勢いでそっぽを向く。
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